避難はしご初心者ガイド

避難はしごとは

火災時、玄関から避難できない場合に窓やベランダから避難する為に使用するはしごです。窓枠やベランダの手すりなどに引っ掛けて使います。弊社では国家検定品のオリロー避難はしごと、戸建て住宅用の次世代避難はしご(2階用、3階用)を販売しています。次世代避難はしごは戸建て居住者向にナイロンロープを使い軽く、コンパクトに作られており、誰でもすぐに使える便利な防災用品となっていますが、消防の義務設置には使えません。

避難器具の種類

避難はしごは、折り畳み式の吊り下げ式金属製はしご(スチール製、アルミ製)の他にワイヤーロープ式(下にひさしがある場合)、固定式(外壁に固定するタイプ)などがあります。また、はしご以外には緩降機(ロープを体に巻き付けて自重降下するもの)、救助袋(中がらせんになっていて、滑っておりるもの)、滑り台などの避難器具もあります。通常3階までは吊り下げ式の避難はしごで問題ないですが、どの避難器具を選ぶかは該当施設の性質(例:お子様やお年寄、病人が多い等)や避難経路の状況、またご予算等により変わります(義務設置の場合は管轄消防に要確認)。

スチール製とアルミ製の違い

アルミ製はスチール製(鉄)と比べると軽量で錆びにも強いのが特徴です。ただし、スチール製はアルミ製に比べると値段が安いので、ご予算や数に応じてどちらにするかご検討ください。オリローはどちらも国家検定合格品ですので、性能は変わりません。

ワイヤーロープ式とは

避難する階下にひさしなどの障害物がある場合は柔軟性のあるワイヤーロープ式はしごをお選びください。通常の吊り下げ式はしごは階下に垂直に降りていくのでこういう状況では使用できません。ワイヤーロープ式も国家検定品ですので、安全性も問題ありません。

フックの選び方

窓枠に直接引っ掛けて使用する場合は、自在フック(コの字型)をご選択ください。窓枠の厚さが60mmから280mmの間でしたら取付が可能です(はしごが届いたら、フックを壁の厚さに合わせてボルトを調整し、保管してください)。手すりにかける場合は直径50mmまでならナスカンフックA、それ以上の場合はナスカンフックBタイプをご選択ください。ただし、そもそも手すり自体の強度が弱いと手すりが曲がったり、折れたりしますのでまず手すりの強度をご確認ください。アルミ製の手すり、錆びてしまった手すりなどは危険です。

長さの選び方

吊り下げ式の避難はしごは基本的に避難する階から地上まで一気に降りるという考え方で使用しますので、はしごをかける位置(窓枠、腰壁等)から地面までの高さとはしごのページ記載の「設置可能範囲の高さ」に合わせてはしごをお選びください。図面がない場合はメジャーやヒモなどで計って正確な高さを把握する必要があります。短すぎると高い位置から飛び降りることになり、危険です(50cm以上浮くと消防の義務設置にも通りません)。

保管場所(屋外か屋内)は?

避難器具は避難する場所のすぐ近くに設置する必要があります。窓から避難する場合は室内の窓の近く、ベランダから避難する場合はベランダに収納ボックスに入れた状態で保管します。ベランダなど雨風が当たる場合はステンレス製のボックスを選択してください。屋内の場合は樹脂製でも構いません。

収納ボックスは必要?

消防の義務設置(下記参照)の場合は収納ボックスは必須です。任意でご購入される場合はお送りした段ボールのまま保管していただいても構いませんが、湿気が多い場所だと段ボールが腐ったり、中のはしごに錆びが出たりしますので、できれば専用の収納ボックスに入れることをおすすめします。

義務設置とは?

消防法や条例等で「避難器具をつけなくてはいけない」場所に避難器具を設置することです。新規に店舗を設置した場合や消防点検で指摘があった場合、適切な避難器具の設置を求められることがあります(老朽化したり、型式失効している場合も同様です)。通常3階までは国家検定品の吊り下げ式避難はしごで対応可能ですが、その場合、はしご本体の他に収納ボックス(屋外の場合はステンレス)、避難はしご表示板、使用法表示板が必要です。業種や収容人数、また地域の条例など状況によっては一動作式の緩降機等、他の避難器具の設置を求められることもありますので、まず管轄の消防にご確認ください。また、消防への設置届は消防設備士(5類)の資格が必要です。弊社で請け負うことも可能ですのでご希望の場合はご相談ください。

避難はしごについてのアドバイス

縦さんと横さんがよりしっかりしているもののほうが揺れが少なく、安定降下できます。吊り下げ式のはしごだと、mini SOS > 吊り下げ式 >ワイヤーロープ式となります。ただし、miniSOSはしっかりしている分重くなるので、女性やお年寄が使う場合は注意が必要です。また降りるときにはまず腕力のある大人が降りたあと、地上からはしごを両手で支えてあげると揺れが少なくなります。なお、実際に降りる訓練をしたい、という方がいますが素人だけで行うと危険です。行う際は専門家(消防設備士や消防関係者など)の立会のもとで行うようにお願いします。